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時代とともに~供養の新しいかたち
2019-10-23

火葬・粉骨・散骨の違法性について

火葬場で火葬することは合法です

現代社会の葬儀方法としては、99%が火葬で行われており土葬はかなり少ないのが現状です。
この火葬という行為がなぜ死体損壊罪(刑法第190条)に該当しないか見ていきましょう。

火葬と「刑法第190条」

  • 刑法第190条(死体損壊等):死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は三年以下の懲役に処する。
  • 刑法第35条(正当行為):法令又は正当な業務による行為は、罰しない。

第190条では、死体を損壊したら犯罪になる、と明記されています。
火葬することも損壊に該当するので、火葬することは形式的には死体損壊罪の構成要件に該当することになります。
この死体損壊罪は「社会秩序としての一般的な宗教感情や死者に対する敬虔・尊崇感情」が保護法益とされています。
しかし、第35条の正当行為によって違法性が阻却され犯罪にならないとされています。
例えば、医師が外科手術などで患者の身体を傷つけることも正当行為により傷害罪が成立しない、ボクサーがリング上で相手にケガさせる行為が暴行罪・傷害罪に当たらない、というのと同じ考え方です。
したがって、正しい手順に則って火葬することで違法にはなりません。

火葬と「墓地、埋葬等に関する法律」(墓埋法)

墓埋法では、遺体を火葬や埋葬する際には必ず自治体の許可を取ることが定められています。
したがって、勝手に遺体を火葬したり、埋葬したりすることは違法となります。
自治体の許可を得ている証明が「火葬許可証」です。とても大切な書類ですのでしっかり保管しましょう。

火葬許可証の申請

家族が死亡した後は、その死亡を知った日から七日以内に死亡届を役所に提出しなければなりません。(戸籍法第86条・第87条)
死亡届の受理と合わせて火葬許可証が役所から交付されます。
葬儀社が手続き代行してくれることが多いです。

火葬と火葬許可証

火葬のときに火葬許可証を火葬場へ提出します。
火葬後に遺骨と一緒に火葬許可証を受け取ります。(墓埋法第5条・第8条・第14条・第16条)

納骨と火葬許可証

墓地に納骨するときは、火葬許可証を墓地管理者へ提出します。(墓埋法第14条)
無断で納骨することは違法行為となるので注意が必要です。

火葬許可証を紛失した場合

火葬許可証を紛失した場合、そのままでは火葬や納骨をすることができません。
火葬許可証を紛失した時は役所に届出をすると再発行してもらえます。

  • 届出する人:故人の祭祀継承者または直系の遺族
  • 申請先:火葬許可証を交付した役所
  • 再交付可能期間:死亡届提出から5年未満

死亡届提出後5年以上経過したときは、火葬証明書(火葬した火葬場から発行)を入手する必要があります。

粉骨や散骨は違法ではありません

粉骨とは遺骨を粉末状にすることです。
刑法第190条の死体損壊罪の「遺骨」を「損壊」することに形式的には該当します。
散骨については「葬送のための祭祀として節度をもって行えば違法ではない」と1991年に法務省の見解があります。
節度をもって散骨を行うためには、一見して遺骨とわからないように粉末状にすべきだと考えられています。
つまり、節度をもって供養のために行われる焼骨の粉骨は、刑法第35条の正当行為として違法性が阻却され、死体損壊罪は成立しません。

粉骨の注意点

供養という目的のために行われる粉骨自体は法律上問題はありません。
近隣から目に付くような場所(近くの公園や自宅の庭先など)で粉骨作業をする行為は、それを見た人たちの「死者に対する敬虔・尊崇感情」が害される可能性があります。
自分自身で粉骨作業を行う場合には、他人の目に触れない方法で行いましょう。

散骨の注意点

  • 遺骨だと分からないように粉骨する必要があります
  • 粉骨する場所の制約があります
  • 「節度をもって」「周りに配慮し」「目立たないように行う」ことが大切です
  • 散骨行為はあくまでも撒く行為であり、埋める行為は埋葬に該当し違法になります

ペットのお骨に関する法律

ペットも家族の一員として大切に供養したい、と思う方も年々増えてきています。
ペットを含めた動物の遺体は、法律上すべて「廃棄物」という扱いとなります。
ペット=家族と考える遺族にとっては辛いかと思いますが、法律上ペットと人間は区別されています。
したがって、廃棄物処理法を念頭に置く必要があります。

自分でペットを火葬するのは違法です

廃棄物処理法第16条:何人も次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。
これに違反すると、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金という罰則規定があります。
したがって、ペットの火葬や納骨をお考えの方はペット専用の葬儀会社を利用するのが無難です。

私有地でのペットの土葬は合法です

火葬せずに私有地にペットをそのまま埋める埋葬行為は違法にはなりません。
私有地以外の場所に埋める行為は不法投棄として問題になる可能性があるので注意が必要です。

ペットの火葬後の粉骨・散骨も可能です

火葬後に粉骨することで、生前好きだった場所や自宅の庭などに撒く行為は違法にならない、とされています。

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~筆者のひとりごと~

自己紹介:40代男性。妻と長女の3人暮らし。涙もろくロマンチスト。

今回は、火葬・粉骨・散骨は違法なのか?というテーマを取り上げました。
法律と聞くと、どうしても固く構えてしまう方も多いかと思います。
ご供養というものは、ご遺族だけでなく周囲の方々の理解や心遣いの上で成り立っているものだと思います。

人間、ペットともに粉骨や散骨はご自身で行うことももちろん可能ですが、法律上の制約があります。専門の業者に依頼することで安心してご供養することができるのではないでしょうか。

最後まで記事を読んでいただき誠にありがとうございました。

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